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ファンマーケティングとは?熱心なお客様を見つけて、一緒に広げる方法

ファンマーケティングとは、商品やブランドに強い愛着を持つお客様(ファン)を見つけ、一緒に新しいお客様を迎える取り組みです。口コミや紹介との違いをふまえ、利用データとアンケートでファンを見つけて、熱量に応じてお願いを変え、効果を測りながら始める手順までまとめました。

田中 悠 公開  更新

この記事の要点

  • ファンマーケティングとは、強い愛着を持つお客様を見つけ、その人たちと一緒に新しいお客様を迎える取り組みです。
  • ファンは、利用データの「よく使う」とNPSの「勧めたい(9〜10点)」を重ねて見つけます。
  • お願いは負担の小さい順に「声を聞く→投稿→紹介→一緒につくる」と進め、最初から紹介を依頼しません。
目次
  1. ファンマーケティングとは:熱心なお客様と一緒に、新しいお客様を迎えること
  2. 口コミ・UGC・リファラルマーケティングとの違い
  3. ファンの見つけ方:利用データとアンケートを重ねる
  4. 熱量のフェーズに合わせて、お願いを変える
  5. 海外の例:Monzo はフォーラムの提案から人気の機能を生んだ
  6. 効果の測り方:ファンの数・動いた人・新しいお客様を見る
  7. 始め方:最初の3か月で決めること

ファンマーケティングとは、商品やブランドに強い愛着を持つお客様(ファン)を見つけ、その人たちと一緒に新しいお客様を迎える取り組みです。全員に同じお願いをするのではなく、熱心なお客様から順に「声を聞く→投稿→紹介→一緒につくる」とお願いを変えていきます。ファンは、利用データとアンケートで見つけます。

ファンマーケティングとは:熱心なお客様と一緒に、新しいお客様を迎えること

ここでいうファンは、商品やブランドを気に入って使い続け、人に勧めたいと思っているお客様です。

近い考え方に、佐藤尚之さんの著書『ファンベース』(ちくま新書・2018年)があります。出版社の筑摩書房の紹介ページは、「ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方」と説明しています。

まだブランドを知らない人に届ける広告と違い、ファンマーケティングは、すでに好きでいてくれる人に届け役になってもらうところから始めます。

そのため、最初の仕事は「誰がファンか」を決めることです。

口コミ・UGC・リファラルマーケティングとの違い

口コミ・UGC(お客様の投稿)・リファラルマーケティングは、どれもお客様の言葉で広がる施策です。ファンマーケティングはこの3つと重なりますが、「誰にお願いするか」から決めるところが違います。

言葉お願いする相手ブランドが決められること
ファンマーケティング熱心なお客様誰に・何をお願いするか
口コミお客様全般ほぼ決められない
UGC投稿してくれる人お願いの仕方・投稿の使い方
紹介知り合いに勧める人特典と条件

この記事では、ファンマーケティングを「口コミ・投稿・紹介を、熱心な人から順にお願いするための考え方」として扱います。それぞれの増やし方は、口コミマーケティングとは?、UGCマーケティングとは?、リファラルマーケティングとは?で扱っています。

ファンの見つけ方:利用データとアンケートを重ねる

ファンは、「よく使っている」という行動と、「勧めたい」という気持ちの両方で見つけます。よく使っていても、人に勧めるほどではないお客様もいるからです。

行動は利用データで見る

続けている月数、使う頻度、最後に使った日を見ます。EC なら購入の回数、アプリなら週に使った日数、スクールなら受講を続けている月数が目安です。続いているお客様の見方は、リテンション施策とは?が参考になります。

気持ちはアンケートで聞く

「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10で聞く NPS が使えます。9〜10点と回答した人が推奨者です。聞き方と計算の手順は、NPSとは?を見てください。

2つを重ねて4つのグループに分ける

勧めたい(9〜10点)それ以外
よく使うファン常連
あまり使わない応援者の候補様子見

「よく使う」の線は、たとえば購入回数の上位3割のように先に決め、人数を見ながら動かします。

常連は、よく使うが、勧めたいとまでは答えていない人です。(関連記事:ロイヤルティプログラムとは?4つの種類と、自社に合う形の選び方)まず声を聞いて、勧めにくい理由を探します。応援者の候補は、気持ちはあるのに使う回数が少ない人です。こちらは、使い続けてもらう工夫が先になります。

熱量のフェーズに合わせて、お願いを変える

お願いは、負担の小さい順に「声を聞く→投稿→紹介→一緒につくる」と並べます。最初から紹介を依頼せず、一つ前のお願いに応えてくれた人に、次をお願いします。

  1. 声を聞く:常連とファンに、使ってよかった点と困った点を聞きます。購入後のメールやアプリのお知らせで、2〜3問の短いアンケートにします。
  2. 投稿をお願いする:「勧めたい」と答えた人に、アンケートとは別の連絡で SNS への投稿をお願いします。書く内容や評価は指定しません。投稿を自社のサイトで使うときは、「UGCマーケティングとは?」の5つの手順で確認します。
  3. 紹介をお願いする:投稿してくれた人や、何度も買ってくれている人に、紹介リンクや紹介コードを渡して紹介をお願いします。紹介リンクは、全員が使える場所にも置いておきます。NPS の回答画面で点数によって案内の表示を変えると、案内目当ての点数が混ざり、点数が体験を映さなくなるからです。特典を設けるなら、額を決める前に紹介キャンペーンと景表法を読んでください。
  4. 一緒につくる:投稿や紹介を続けてくれる人を、新しい商品やサービスの相談相手に招きます。(関連記事:アンバサダーマーケティングとは?ファンとの違いと、無理なく始める手順)会員だけが参加できるオンラインの場で試作を先に見せ、意見をもらいます。

フェーズが上がるほど、お願いする人数は減ります。全員に4つ目まで依頼する必要はありません。

海外の例:Monzo はフォーラムの提案から人気の機能を生んだ

英国のデジタル銀行 Monzo は、「一緒につくる」フェーズの例です。Monzo は、利用者が集まるコミュニティフォーラムを運営しています。

Monzo は2018年11月5日の公式ブログで、機能「Pots」の始まりを振り返っています。お金を取り分けておく「フォルダ」や「バケツ」が欲しいというフォーラムの案から始まり、2018年の時点で、最も人気のある機能の一つになっていた、という内容です。

Monzo は、紹介の制度(Refer a Friend)を、フォーラムとは別の仕組みとして設けています。招待制の取り組みは「リファラルマーケティングとは?」で取り上げました。

小さなブランドでも、会員限定のページや LINE オープンチャットで新しいメニューや機能を先に見せられます。寄せられた意見のうち、どれを取り入れたかを後で伝えるところまでが1回です。

効果の測り方:ファンの数・動いた人・新しいお客様を見る

ファンマーケティングの効果は、「ファンの数」「動いた人」「新しいお客様」の3つで見ます。

見るところ数えるもの伸びないときに見直すところ
ファンの数ファンに当たるお客様の人数体験・「よく使う」の線
動いた人投稿・紹介をした人数お願いの時期と文面
新しいお客様紹介リンク・コード経由の申し込み紹介の渡し方・特典の条件

毎月、同じ日に数えます。ファンの数が増えないなら、お願いより先に体験を見直します。誰の紹介で来たかは、紹介リンクまたは紹介コードで記録すれば数えられます(紹介コードとは?)。

始め方:最初の3か月で決めること

最初の3か月は、ファンを数字で見つけ、小さなお願いを1つ試すところまでで十分です。

  1. 1か月目:ファンの条件を決める。「よく使う」の線を決め、NPS のアンケートを1回送ります。4つのグループの人数を集計します。
  2. 2か月目:お願いを1つ試す。1か月目のアンケートで「勧めたい」と答えた人に、SNS への投稿をお願いします。
  3. 3か月目:数えて、次のお願いを決める。3つの数字を見て、停滞しているところを1か所だけ直します。

Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。

監修者

田中 悠

田中 悠

株式会社AREYO 代表取締役CEO

BtoC 向けのリファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt Me」を通じて、紹介プログラムの戦略策定から導入までを多方面から支援。

紹介が属人化・形骸化しやすい構造に向き合い、お客様から自然と紹介が生まれる仕組みづくりに尽力。

<<主な略歴>>

キヤノン株式会社に新卒入社後、一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当。その後、株式会社プレイドに参画し、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトマネジメントを横断し、主にアパレル企業のCX向上を支援。2020年6月より株式会社バニッシュ・スタンダードに参画し、執行役員としてビジネス全体を統括。2025年4月株式会社AREYO創業。

愛媛県松山市出身。みかん好き。

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