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NPSとは?計算方法と、「勧めたい」お客様に紹介してもらう方法

NPSとは、「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10で聞き、推奨者(9〜10点)の割合から批判者(0〜6点)の割合を引いて算出する指標です。計算方法と目安の読み方、オンラインでの聞き方に加えて、「勧めたい」と答えたお客様に紹介してもらうまでの4つの手順を、Peloton と FIGS の例とあわせてまとめました。

田中 悠 公開  更新

この記事の要点

  • NPSとは、「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10の11段階で聞いて算出する指標です。
  • 推奨者(9〜10点)の割合から批判者(0〜6点)の割合を引いて計算し、値は−100から+100の間に収まります。
  • 回答のお礼の画面で紹介の案内を全員に同じ形で表示し、翌月に点数ごとの紹介の数を確認します。
目次
  1. NPSとは:「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10で聞く指標
  2. NPSの計算方法:推奨者の割合から批判者の割合を引く
  3. NPSの目安の読み方:他社の平均より、自社の推移と回答数を見る
  4. オンラインでの聞き方:体験の直後に、いつもの連絡経路で聞く
  5. 推奨者を紹介につなげる4つの手順
  6. 海外の例:Peloton と FIGS は上場の書類で NPS を示した
  7. NPSだけでは足りない:紹介の数字で答え合わせをする
  8. 注意点:お礼・特典・口コミのお願いの決まり

NPSとは、「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10の11段階で聞いて算出する指標です。推奨者(9〜10点)の割合から批判者(0〜6点)の割合を引いて計算します。点数は−100から+100の間に収まります。この記事では、計算のしかたとExcelの式、数字の読み方をまとめました。あわせて、回答のあとに紹介をお願いし、実際の紹介の数で答え合わせをするまでの流れも説明します。

NPSとは:「友人や同僚に勧めたいか」を0〜10で聞く指標

NPS は Net Promoter Score の略です。お客様の気持ちを、「人に勧めたいか」という1つの質問で測ります。

質問文は「〔ブランド名〕を友人や同僚に勧める可能性は、どれくらいありますか」です。0から10までの11段階から、1つを選んでもらいます。質問文と0〜10の尺度は、次の節で示す Qualtrics の解説に載っている形です。

満足していても、人に勧めるとは限りません。勧めるのは、自分の名前で相手に話すことだからです。NPS が聞いているのは、満足の一歩先にある「勧めたい」という気持ちです。そのため、紹介を増やしたいブランドと相性のよい指標です。

なお、Net Promoter®・NPS® は Bain & Company、NICE Systems、Fred Reichheld の登録商標です(Net Promoter System の公式サイトの表示による)。

NPSの計算方法:推奨者の割合から批判者の割合を引く

回答は、点数で3つに分けます。

点数呼び方計算での扱い
9〜10点推奨者この割合から引く
7〜8点中立者引き算には使わない
0〜6点批判者割合を引く

NPS は「推奨者の割合(%)−批判者の割合(%)」で算出します(Qualtrics の解説)。中立者は引き算には使いませんが、割合を算出するときの回答者の数に含まれます。

たとえば200人が答え、推奨者が90人、中立者が60人、批判者が50人だったとします。推奨者は45%、批判者は25%なので、NPS は45−25で+20です。全員が推奨者なら+100、全員が批判者なら−100になります。

Excelでの計算式

回答の点数をB列の2行目から201行目に入力した場合、次の式で算出できます。Googleスプレッドシートでも同じ式が使えます。

推奨者の割合:=COUNTIF(B2:B201,">=9")/COUNT(B2:B201)
批判者の割合:=COUNTIF(B2:B201,"<=6")/COUNT(B2:B201)
NPS:=(COUNTIF(B2:B201,">=9")-COUNTIF(B2:B201,"<=6"))/COUNT(B2:B201)*100

COUNT は数値が入力されたセルだけを数えるので、空白のセルは回答者の数に含まれません。割合のセルは、表示形式をパーセントにします。回答の数が変わったら、「201」を最後の行の番号に合わせます。

NPSの目安の読み方:他社の平均より、自社の推移と回答数を見る

NPS は、他社の点数と比べるより、自社の点数の動きを見るほうが役に立ちます。他社の点数は、いつ・誰に・どの経路で聞いたかが分からないことが多く、条件をそろえて比べられないからです。

  • 自社の推移:同じ質問を、同じタイミング(購入の◯日後など)・同じ経路で続けて聞き、前回より上がったか下がったかを見ます。聞き方を変えると、前回とは比べられません。
  • 回答数:回答が少ないと、1人の答えで点数が大きく動きます。20人の回答なら、1人が推奨者から批判者に変わるだけで NPS は10下がります。200人なら1です。
  • 推奨者と批判者の割合:同じ+20でも、推奨者45%・批判者25%と、推奨者20%・批判者0%では打つ手が違います。紹介を増やしたいなら、推奨者の人数が材料になります。

オンラインでの聞き方:体験の直後に、いつもの連絡経路で聞く

NPS の質問は、お客様が「人に話したい」と感じる瞬間の直後に、ふだん連絡している経路で送ります。商品が届いたあと、初回の利用が終わったあとなどです。口コミマーケティングの記事では、この瞬間を「体験の山」と呼び、その直後に感想をお願いするとしています。

経路向いているサービス
購入後のメールEC・定期通販
アプリ内の表示アプリ
マイページ会員制のサービス・スクール
LINE 公式アカウント予約制のサロン・フィットネス

送る相手は、購入や利用をした人全員にそろえます。点数が高そうな人だけに送ると、NPS は実際より高く算出されます。

質問は2問にすると扱いやすくなります。1問目が0〜10の点数、2問目が「その点数を付けた理由」の自由記述です。

あとで点数と紹介の記録を突き合わせるなら、誰が何点と回答したかが分かる形で残しておきます。その場合は、回答を紹介の効果の確認にも使うことを、アンケートの案内に書いておきます。プライバシーポリシーの利用目的に含まれているかも確認します。

推奨者を紹介につなげる4つの手順

推奨者は「勧めたい」と答えた人です。その気持ちを紹介に変えやすくするために、回答したその場で紹介の方法を案内します。

紹介の案内は、点数にかかわらず全員に同じものを表示します。高い点を付けた人にだけ案内を表示すると、案内目当ての点数が混ざり、NPS が体験を映さなくなるからです。推奨者が実際に動いたかは、点数ごとに紹介リンク・コードを使った人の割合を比べれば分かります(後の節)。

  1. 回答のお礼を伝える:点数にかかわらず、全員に同じお礼の言葉を表示します。
  2. 紹介リンク・コードを渡す:お礼の画面で、紹介リンク・コードを案内します。その場で渡せば、あとで改めて連絡する必要がありません。
  3. 特典の条件を示す:誰に、何を、どこまで進んだら渡すかを書きます。決め方は紹介キャンペーンのやり方のステップ2・3にまとめています。特典にかけられる金額の計算式は、リファラルマーケティングの記事にあります。
  4. 成果を記録する:紹介リンク・コードで、誰の紹介で誰が申し込んだかを記録します。(関連記事:紹介コードとは?仕組みと、入力漏れを防ぐ申し込みフォームの作り方)

中立者と批判者の回答は、2問目の理由を読み、商品や案内を直す材料にします。

海外の例:Peloton と FIGS は上場の書類で NPS を示した

米国では、上場のときに提出する書類で NPS を示す会社があります。

フィットネスの Peloton(米国)は、2019年8月に米国の証券取引委員会(SEC)へ上場の書類(Form S-1)を提出しました。その中で、バイクの NPS は2016年に測り始めてから80〜93の範囲にあると書いています。

FIGS(米国)は、医療従事者向けのスクラブ(医療用の作業着)を売る会社です。こちらも2021年5月に提出した Form S-1 で、NPS が+81だと示しています。2021年1〜3月に、購入の10日後にメールで自動で送った質問への、約1万1,500人の回答から算出した数字です。

どちらも、お客様の「勧めたい」という気持ちを、投資家に示す数字として使った例です。口コミマーケティングの記事では、眼鏡の Warby Parker の例も紹介しています。

NPSだけでは足りない:紹介の数字で答え合わせをする

NPS が示すのは「勧めたい」という気持ちで、実際に勧めたかどうかではありません。推奨者が増えても、紹介で来るお客様が増えていなければ、どこかの段階で停滞しています。(関連記事:バイラル係数(Kファクター)とは?計算式と、紹介でお客様が増える力の読み方)推奨者が紹介リンク・コードを使ったか、使用された紹介が申し込みになったかを分けて見ます。

「Net Promoter 3.0」は、NPS を考案した Fred Reichheld らの記事で、Bain & Company のサイトに載っています。その中で紹介しているのが、Earned Growth という指標です。アンケートではなく、監査を受けた売上の数字に基づく指標で、NPS と対になるものと位置づけています。

自社では、次の数字を並べて見ます。

見る数字分かること
推奨者の人数勧めたい人の多さ
推奨者のうち、紹介リンク・コードを使った人数推奨者が動いたか
紹介経由の新しいお客様の数申し込みになったか
紹介経由のお客様の売上紹介が生んだ売上

ここでの「使った」は、推奨者が紹介リンク・コードを知り合いに送ったことを指します。

点数ごとに、紹介リンク・コードを使った人の割合を比べます。推奨者が多いのに紹介リンク・コードが使用されていなければ、手順2の渡し方または手順3の特典の条件を見直します。紹介の流れを数える考え方は、リファラルマーケティングの記事の「効果の測り方」にもまとめています。

注意点:お礼・特典・口コミのお願いの決まり

調査のお礼は言葉にとどめ、紹介の特典とは別のものとして扱います。

  • 紹介の特典は、紹介の成果に対して渡す:「高い点を付けたこと」ではなく、「紹介された人が申し込んだこと」などを条件にします。
  • 特典の額は、景品表示法を確認してから決める:アンケートを購入者(買ったことがある人)に送り、紹介リンク・コードを回答者にしか渡さないなら、紹介できる人を購入者に限っているのと同じと考えられます。消費者庁の景品に関する Q&A の Q31 によると、紹介者を購入者に限定する場合は、紹介した人への謝礼が景品類に当たります。この場合、通常は総付景品の規制の対象になります。過去の購入者に限る場合、上限の基準になる取引の価額は「この企画を告知した後に発生し得る通常の取引のうち最低のもの」とされています。額は、リファラルマーケティングの記事の「始める前に確認したい法律」で確認してから決めます。
  • 口コミの投稿も依頼するときは、点数で相手を選ばず、評価や書く内容も指定しない:Google のクチコミのポリシーは、クチコミの投稿と引き換えに割引や特典などを渡すことと、肯定的なクチコミを選択的に募ることを禁じています。Google のクチコミのお願いには紹介の特典を結びつけず、紹介の案内とは分けて送ります。(関連記事:Googleの口コミを増やす方法|お願いの仕方と、やってはいけないこと)あわせて、口コミマーケティングの記事の「見返りを提供してお願いするときの注意」で、ステマ規制と投稿先の規約を先に確認します。

NPS は、測るだけでは紹介につながりません。次の調査では、回答のお礼の画面に紹介の案内を1つ置き、翌月に点数ごとの紹介の数で答え合わせをしてみてください。

Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。

監修者

田中 悠

田中 悠

株式会社AREYO 代表取締役CEO

BtoC 向けのリファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt Me」を通じて、紹介プログラムの戦略策定から導入までを多方面から支援。

紹介が属人化・形骸化しやすい構造に向き合い、お客様から自然と紹介が生まれる仕組みづくりに尽力。

<<主な略歴>>

キヤノン株式会社に新卒入社後、一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当。その後、株式会社プレイドに参画し、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトマネジメントを横断し、主にアパレル企業のCX向上を支援。2020年6月より株式会社バニッシュ・スタンダードに参画し、執行役員としてビジネス全体を統括。2025年4月株式会社AREYO創業。

愛媛県松山市出身。みかん好き。

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