この記事の要点
- アンバサダーマーケティングとは、商品を気に入っているお客様に役目を依頼し、続けて広めてもらうマーケティングです。
- よく使っていてNPSで9〜10点をつけたお客様を候補にし、役目を1〜2つに絞って期間を決めます。
- アンバサダーごとに紹介リンクまたは紹介コードを分けて渡すと、誰の紹介で何人が申し込んだかを数えられます。
目次
アンバサダーマーケティングとは、商品やブランドを気に入っているお客様に「アンバサダー」という役目を依頼し、続けて広めてもらうマーケティングです。インフルエンサーに1回ずつ依頼するのと違い、熱心なお客様と期間を決めて関係を結び、依頼することを先に決めておきます。
ファンの見つけ方はファンマーケティングとは?で扱ったので、この記事では「見つけたファンに何を依頼するか」に絞ります。
アンバサダーマーケティングとは:熱心なお客様に、役目を決めて広めてもらうこと

アンバサダーは英語で「大使」のことです。ブランドの代わりに、その良さを周りの人に伝える役目を指します。
ファンに「よかったら広めてください」と伝えるだけでは、何をすればよいかが分かりません。アンバサダーという役目にすると、依頼すること・期間・お礼が先に決まります。依頼された側も、引き受けるかどうかを決めやすくなります。
役目には、たとえば次のようなものがあります。
- 新しい商品を先に試し、感想を SNS に投稿する
- 使い方のコツを、ほかのお客様に教える
- 知り合いに紹介リンクを送る
- 新しい商品やメニューの相談に乗る
全部を1人に依頼する必要はありません。最初は1〜2つに絞ります。
ファン・インフルエンサー・紹介との違い

アンバサダーは、ファンの中から役目を引き受けてくれた人です。インフルエンサーや紹介してくれるお客様とは、依頼することと関係の長さが違います。
| 言葉 | どんな人か | 依頼すること | 関係の期間 |
|---|---|---|---|
| ファン | 強い愛着を持つお客様 | 決めていない | 続く |
| アンバサダー | 役目を引き受けたファン | 決めた役目 | 期間を決めて続ける |
| インフルエンサー | フォロワーの多い発信者 | 投稿1回ごと | 依頼ごと |
| 紹介してくれるお客様 | 知り合いに勧める人 | 紹介 | 紹介のたび |
インフルエンサーは、まだブランドを知らない多くの人に届けたいときに向いています。アンバサダーは、使い続けている人の実感を伝えたいときに向いています。紹介は、アンバサダーの役目の1つとして依頼することもできます。
紹介の仕組みはリファラルマーケティングとは?で、お客様の投稿の集め方はUGCマーケティングとは?でまとめています。
アンバサダーの集め方:招く・公募・選抜の3つ

初めてなら、今のお客様から招くのが始めやすい方法です。
| 集め方 | 進め方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 招く | 熱心なお客様に声をかける | 最初の数人を集める |
| 公募 | 応募ページで募る | 人数を増やしたい |
| 選抜 | 応募から条件で選ぶ | 役目に合う人を選びたい |
招く
購入の回数や NPS の回答から候補を選び、メールや SNS のメッセージで声をかけます。お客様の情報を使う前に、プライバシーポリシーの利用目的に含まれているか確認します。すでに好きでいてくれる人なので、役目の説明から始められます。
公募
サイトや SNS に応募ページを置き、お客様でない人も含めて誰でも応募できるようにします。役目・期間・お礼は、応募ページに先に書いておきます。
選抜
公募で集まった人から、条件で選びます。条件は、利用を続けている期間や、役目に合う発信をしているかなどです。選ばなかった人にも結果を伝えます。
始める5つの手順:候補を選んでから、効果を測るまで

- 候補を選ぶ:利用データと NPS を重ね、よく使っていて NPS で9〜10点と回答した人を候補にします。NPS の聞き方はNPSとは?で扱っています。
- 役目を決める:依頼することを1〜2つに絞り、期間を決めます。たとえば「3か月、新商品が発売されたら試して投稿する」のように書きます。
- お礼の形を決める:新商品の先行体験、オンラインの限定イベントへの招待、割引、紹介の成果に応じた報酬などから選びます。
- 投稿の決まりを伝える:ブランドから投稿を依頼するなら、お礼を渡すかどうかにかかわらず、依頼された投稿だと分かる表示を記載してもらいます。(関連記事:ステマ規制とは?紹介や口コミのお願いで、どこまでなら大丈夫か)役目・期間・お礼と投稿の決まりは、引き受けてもらう前に文書で渡します。
- 効果を測る:アンバサダーごとに紹介リンクまたは紹介コードを分けて渡すと、誰の紹介で何人が申し込んだかを数えられます(紹介コードとは?)。投稿の数と紹介経由の申し込みの数を、毎月同じ日に数えます。
期間が終わったら、続けてくれた人には次の期間をお願いします。活動が途絶えた人には、役目を変えて声をかけ直します。
お礼を渡すときに確認すること
投稿を依頼するときは、広告だと分かる表示を記載してもらいます。表示の書き方はUGCマーケティングの記事で、紹介にお礼を渡すときの上限の考え方は紹介キャンペーンと景表法でまとめています。
海外の例:lululemon は、アンバサダーを地域のロールモデルと位置づける


lululemon(ルルレモン)は、企業サイトのコミュニティの取り組みを紹介するページで、アンバサダー制度を説明しています(lululemon Community Engagement、2026年10月17日時点)。
制度の説明は「Our ambassador program creates ongoing partnerships with values-driven role models in our communities」です。地域で、自分の価値観を大切にして動く手本となる人と、続く関係を結ぶ制度だという意味です。アンバサダーの幅は「from local influencers to professional athletes」、つまり地域のインフルエンサーからプロのアスリートまでとしています。
編集部の解釈では、説明の中心は投稿の回数ではなく、価値観と続く関係に置かれています。また、インフルエンサーもアンバサダーに含まれています。上の表は、相手の種類ではなく「1回ごとの依頼か、続く関係か」で分けて読むと使いやすくなります。
小さなブランドなら、応募ページや招待のメールの冒頭に「どんな人に、どんな関係を続けてほしいか」を1文で書くところから真似できます。
アンバサダーから紹介につなげる

アンバサダーの役目に紹介を加えると、投稿で興味を持った人を、新しいお客様として迎えるところまでつなげられます。
紹介は、最初から依頼しなくてもかまいません。投稿を続けてくれたアンバサダーに、次の期間の役目として紹介を足します。特典の額と渡し方はリファラルマーケティングとは?を、報酬を設けるなら、紹介キャンペーンと景表法の記事にある Q31 の説明を確認してから決めます。
まずは、NPS で9〜10点と回答したお客様から数人を選び、役目を1つ決めて声をかけるところから始めます。
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