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ロイヤルティプログラムとは?4つの種類と、自社に合う形の選び方

ロイヤルティプログラムとは、使い続けるほどお客様が得をする会員の仕組みです。4つの種類と、購入の頻度と客単価で自社に合う形を選ぶ方法、効果の測り方を、海外と国内の事例も交えて解説します。常連のお客様に紹介をお願いする入口の作り方と、謝礼の注意点まで読めます。

田中 悠 公開  更新

この記事の要点

  • ロイヤルティプログラムとは、使い続けるほどお客様が得をする特典を用意した会員の仕組みです。
  • ポイント型・ランク型・有料会員型・体験型の4つから、購入の頻度と客単価で形を選びます。
  • 特典が割引だけだと、お客様は商品より安さで選ぶようになり、還元率の比べ合いになりがちです。
目次
  1. ロイヤルティプログラムとは:ポイントカードやリテンション施策との違い
  2. ロイヤルティプログラムの4つの種類と、向いているサービス
  3. 期待できることと、割引に依存する落とし穴
  4. 自社に合う形は「購入の頻度×客単価」で選ぶ
  5. 始める5つの手順
  6. 効果は「同じ条件のお客様」どうしで比べて測る
  7. 常連のお客様に紹介してもらう:会員の仕組みに紹介の入口を足す

ロイヤルティプログラムとは、利用を続けてもらうための会員の仕組みです。使い続けるほどお客様が得をする特典を用意します。この記事では、ポイント型・ランク型・有料会員型・体験型の4つに分けて考えます。どれを選ぶかは、お客様が買う頻度と客単価で決めます。

ロイヤルティプログラムとは:ポイントカードやリテンション施策との違い

ロイヤルティ(loyalty)は、英語で「忠実さ」の意味です。会員プログラム、ポイントプログラムと呼ばれることもあります。

ポイントカードとの違い

ポイントカードやポイントアプリは、ロイヤルティプログラムを動かす道具の1つです。ロイヤルティプログラムは、設計の全体を指します。誰を会員にするか、何で何がもらえるか、特典をどう変えるかまで含みます。ポイントを配らず、会員ランクや先行案内だけで成り立つプログラムもあります。

有料会員の例:Target Circle 360

米国の小売大手 Target には、有料の会員制 Target Circle 360 があります。通常価格は月10.99ドルまたは年99ドルです(Target Circle 360)。ポイントとは別に、会費と引き換えに配送の特典を渡す形です。

リテンション施策との違い

リテンション施策は、今のお客様に使い続けてもらうための取り組みの全般です。使い方の案内メールや、解約の代わりに一時停止を用意することも含みます。ロイヤルティプログラムはその1つで、特典の側から続けてもらう方法です。

ロイヤルティプログラムの4つの種類と、向いているサービス

この記事では、お客様が何を受け取るかで4つに分けます。2つ以上を組み合わせることもできます。

種類お客様が受け取るもの向いているサービスの例
ポイント型買うたびにたまるポイントカフェのアプリ、日用品のEC
ランク型利用額に応じたランクの特典化粧品・アパレルのEC
有料会員型会費と引き換えの送料無料・会員価格定期的に買うEC、予約の多いサービス
体験型先行案内・限定イベントスクール、価格の高い商品

ポイント型は、仕組みが分かりやすく、お客様が最初の1回から得を感じられます。一方で、ポイントは値引きと同じように受け取られやすく、競合と還元率で比べられます。

ランク型は、一定の期間の利用額や回数で会員ランクが上がり、上のランクほど特典が増えます。今のランクを保ちたい気持ちが、次の購入のきっかけになります。条件を高くしすぎると、ほとんどのお客様が届かず、効かなくなります。

有料会員型は、お客様が先に会費を払い、送料無料や会員価格を受け取ります。会費を払ったお客様に、もっと使ってもらうことを狙います。会費に見合う得を実感できないお客様は、更新の時期に離れやすくなります。

体験型は、割引の代わりに体験を用意します。新商品の先行案内、会員だけのイベント、作り手と話せる場などです。熱心なお客様と一緒にブランドを広げる考え方は、ファンマーケティングとは?熱心なお客様を見つけて、一緒に広げる方法が参考になります。

Costco は年会費の上に有料の上位会員を置く

米国の Costco は、年会費を払う会員制です。その上に、エグゼクティブ会員という有料の上位会員を置いています。なるには、まずビジネス会員またはゴールドスター会員(一般の個人会員)の年会費を払います。そのうえで、年65ドルのアップグレード料金がかかります(該当する場合は売上税が別。Costco の Executive Rewards)。

同じページによると、見返りは、対象の購入額に対する年2%のリワードです。上限は1,250ドルです。

期待できることと、割引に依存する落とし穴

ロイヤルティプログラムで期待できるのは、次のようなことです。

  • 2回目、3回目の購入のきっかけになる
  • 会員の登録情報と購入の記録から、誰がよく買っているかが分かる
  • よく買うお客様に、新商品の案内や紹介のお願いを届けやすくなる

落とし穴は、特典が割引だけになることです。割引だけの制度では、お客様は商品より安さで選ぶようになりがちです。還元率を上げれば会員は増えても、1回の購入で残る利益は減ります。競合がより高い還元率を提示すれば、お客様はそちらへ移りやすくなります。

割引は入口にとどめます。ランクや体験の特典を組み合わせると、還元率の競争から抜け出しやすくなります。

使った金額とレベルでスターが変わる、Starbucks Rewards の例

米国の Starbucks には、会員プログラム Starbucks Rewards があります。規約によると、レベルは Green・Gold・Reserve の3段階です。1ドルあたりに付与されるスターは、レベルで変わります。Green は1、Gold は1.2、Reserve は1.7です(Starbucks Rewards の規約)。

還元を使った金額に結び付け、レベルが上がるほど多く付与する設計の一例です(編集部の見方)。

自社に合う形は「購入の頻度×客単価」で選ぶ

迷ったら、お客様が買う頻度と、1回に使う金額の2つで考えます。最初に試す形の目安は次のとおりです。

購入の頻度客単価最初に試す形
高い低いポイント型
高い高いランク型
低い高い体験型
低い低い2回目の購入のきっかけ作り
  • 頻度が高く、単価が低い(カフェ、日用品など):1回ごとの小さな得が積み重なります。ポイント型が伝わりやすい形です。
  • 頻度も単価も高い(化粧品、アパレルのECなど):お客様ごとの利用額の差が大きくなります。よく買う人を手厚くするランク型が合います。
  • 頻度が低く、単価が高い(家具、価格の高い講座など):ポイントがたまる前に、次の購入まで間が空きます。体験型で、買っていない期間もつながりを保ちます。
  • 頻度も単価も低い:会員の制度を作るより先に、初めて買ったお客様が2回目を買うきっかけを整えます。購入後のメールなどです。

有料会員型は、送料や予約の取りにくさなど、毎回の不便が明確なサービスで候補になります。会費でその不便が消えるので、よく買うお客様ほど会費を回収しやすいからです。

始める5つの手順

  1. 目的を1つに絞る:2回目の購入率を上げる、年間の購入回数を増やす、などから1つ選びます。見る数字も決めます。
  2. 特典を決める:費用は、会員1人から得られる粗利の範囲に収めます。割引だけにせず、体験の特典を1つ加えます。
  3. ランクや特典の条件を決める:今のお客様の購入の記録で、どのくらいの人が届くかを確認してから決めます。ポイントの有効期限もここで決めます。
  4. 告知する:購入完了の画面や購入後のメールで、買った直後のお客様に案内します。特典と条件は1つのページにまとめます。
  5. 見直す:3か月ごとなどに数字を見て、1か所だけ変えて測り直します。特典や条件を変えるときは、先に会員へ伝えます。

ノジマはランクが下がる条件まで同じページに書く

家電量販店のノジマは、会員ランクの決め方を公式ページで公開しています。ノジマモバイル会員ランクアッププログラムのページです(ノジマ 会員ランクアッププログラム)。ページには「お買い物金額に応じて、4段階の会員ランク(ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ)が決定。」「過去10年間の累計購入金額に応じて、会員ランクが決定されます。」と書かれています。

集計に含まれないものと、ランクが下がる条件も同じページにあります。

  • ノジマオンラインでの注文は、ランクの対象外です。
  • 返品やキャンセルがあった場合は「その金額分が累計購入金額から減算され、ランクが下がる場合があります。」とあります。
  • 最終購入日から1年が過ぎると、ランクが1つ下がることがあります。

効果は「同じ条件のお客様」どうしで比べて測る

会員と会員でない人のリピート率を、そのまま比べるのは避けます。(関連記事:リピート率の計算方法|リピーター率との違いと、紹介に生かす読み方)もともとよく買う人ほど、会員になりやすいからです。そのため、プログラムに効果がなくても、会員の数値のほうが高くなりがちです。

比べるなら、プログラムを始める前と後で、同じ条件のお客様どうしを比べます。たとえば、初めて買ったお客様が90日以内に2回目を買った割合です。

2回目の購入率(%)= 初回の購入から90日以内に2回目を買ったお客様の数 ÷ その期間に初めて買ったお客様の数 × 100

たとえば、始める前の3か月に初めて買ったお客様の2回目の購入率が20%だったとします。始めた後の3か月が26%なら、6ポイント上がったと読めます。季節で売上が大きく動くサービスなら、前の年の同じ時期とも比べます。

あわせて、どの形でも特典にかかった費用を見ます。定期便や有料会員なら、継続率も見ます。上がった購入の粗利より特典の費用が大きければ、特典または条件を見直します。

会員が増えてからも作り直した Chipotle の例

手順5の見直しは、会員が増えてからも続けられます。飲食チェーンの Chipotle は、2026年4月13日に、会員プログラム Chipotle Rewards を「Rewards on Repeat」という仕組みに刷新しました(Chipotle のプレスリリース)。発表では、会員の規模を次のように書いています。

With 21 million active members driving a significant portion of the company's sales

アクティブ会員2,100万人が、会社の売上の大きな部分を生んでいる、という書き方です。

制度を作り直した狙いは、得を大きくし、使い方の自由を広げ、関わり方を増やすことです。

常連のお客様に紹介してもらう:会員の仕組みに紹介の入口を足す

ロイヤルティプログラムで常連のお客様が見えてきたら、その人たちに紹介をお願いできます。紹介で加入したお客様は離れにくかったという海外の研究は、リテンション施策とは?お客様が続く仕組みと、紹介につなげる方法にまとめています。

会員の仕組みに紹介を足すなら、次の形が考えられます。

紹介した人への謝礼について、消費者庁の Q&A(Q31)は次のように答えています(消費者庁「景品に関するQ&A」)。

自己の供給する商品又は役務の購入者を紹介してくれた人(紹介者)に対する謝礼は、取引に付随する提供に当たらず、景品類には該当しません。

同じ Q31 は続けて、「ただし、紹介者を自己の供給する商品又は役務の購入者に限定する場合には、取引に付随する提供となり、景品類に該当し、通常、総付景品の規制の対象となります」としています。

購入額でランクが上がった会員や、有料会員・定期便の会員は、通常は購入者(すでに買ったことがある人)に当たります。紹介者(謝礼を受け取れる人)をこの人たちに限るなら、Q31 のただし書きにある、紹介者を購入者に限定する場合に当たると考えられます。

Q31 は、「紹介者を過去に自己の供給する商品又は役務を購入してくれた者に限定する場合であれば」、今後の取引に付随するとしています。

その場合の取引の価額は、企画を告知した後に発生し得る「通常の取引のうち最低のものになります」とされています。

特典の上限は、紹介キャンペーンと景表法|特典の上限を4つの問いで判断するの4つの問いで判断できます。

MiuraGolf.com は会員のランクと友だち紹介を1つの規約に載せる

MiuraGolf.com は、ゴルフクラブメーカーの公式サイトです。ここに、会員プログラム「Miura Rewards」の常設の規約があります(Miura Rewards の規約)。この規約は、ランク型の会員制度と友だち紹介を一緒に載せています。

ランクは、過去12か月の対象の購入額で決まります。ランクは Buronzu・Gin・Kin・Shirogane(日本語をローマ字で書いた名前)の4段階で、年間の購入額はそれぞれ次のとおりです。

  • Buronzu:年間0〜1,999ドル
  • Gin:年間2,000〜4,999ドル
  • Kin:年間5,000〜7,999ドル
  • Shirogane:年間8,000ドル以上

ポイントは、miuragolf.com での対象の購入1ドルにつき1ポイントが付与されます。

紹介の特典は、紹介された友人と紹介した会員の両方にあります。友人は、300ドル以上の初回購入で50ドル引きになります。紹介した会員は、友人が購入を終えた時点で1,000ポイントを受け取ります。

紹介1人あたりに上限を置く形:Marriott Bonvoy

ホテルの会員プログラム Marriott Bonvoy には、会員が新しい会員を紹介する「Reward a Friend」があります。公式サイトで案内しています(Marriott Bonvoy の Reward a Friend)。紹介できるのは、1年(暦年)に5人までです。

紹介した会員は、紹介された人が滞在するたびに2,000ボーナスポイントを受け取ります。上限は紹介1人につき5滞在分です。

紹介された友人も、1滞在ごとに2,000ポイントを、最大5滞在分受け取ります。


まずは購入の頻度と客単価から形を1つ選び、同じ条件のお客様どうしで効果を測りながら育てます。常連のお客様が見えてきたら、紹介をお願いする入口を足します。

Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。

監修者

田中 悠

田中 悠

株式会社AREYO 代表取締役CEO

BtoC 向けのリファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt Me」を通じて、紹介プログラムの戦略策定から導入までを多方面から支援。

紹介が属人化・形骸化しやすい構造に向き合い、お客様から自然と紹介が生まれる仕組みづくりに尽力。

<<主な略歴>>

キヤノン株式会社に新卒入社後、一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当。その後、株式会社プレイドに参画し、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトマネジメントを横断し、主にアパレル企業のCX向上を支援。2020年6月より株式会社バニッシュ・スタンダードに参画し、執行役員としてビジネス全体を統括。2025年4月株式会社AREYO創業。

愛媛県松山市出身。みかん好き。

Jolt Me サービス紹介資料

この資料でわかること

  • なぜいま「紹介」なのか
  • Jolt Me の仕組みと、できること
  • 業種別の活用例と、紹介プログラム設計のコツ
  • 料金プランと、導入の流れ

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