この記事の要点
- 紹介キャンペーンの企画書とは、目的・特典・成立の条件・費用の上限・計測の方法を1枚にまとめ、社内の承認を得る書類です。
- 10項目のテンプレートのうち、目的と目標を最初に決め、目標は紹介された人の購入の数にします。
- 承認する人が確認するのは、誰に何を渡すか、特典をいつ確定し、いつ取り消すか、費用の上限がいくらかの3点です。
目次
紹介キャンペーンの企画書とは、今のお客様に知人を紹介してもらうキャンペーンについて、目的・特典・成立の条件・費用の上限・計測の方法を1枚にまとめ、社内の承認を得るための書類です。承認する人が確認するのは、誰に何を渡すか、特典がいつ確定していつ取り消すか、費用の上限がいくらか、の3点です。この記事では、10項目のテンプレートと、紹介キャンペーンにしかない欄の書き方を紹介します。
特典の額や告知の方法など、キャンペーンの中身の決め方は紹介キャンペーンのやり方で扱っています。ここでは、決めた案を企画書にまとめ、承認を得るところに絞ります。
紹介キャンペーンの企画書が、抽選のプレゼント企画と違う3つの点

紹介した人と紹介された人の両方に特典を渡す紹介キャンペーンでは、特典を渡す相手が2人いて、特典が確定するまでに時間がかかります。そのため、抽選のプレゼント企画の企画書にはない欄が必要になります。
| 違い | 抽選のプレゼント企画 | 紹介キャンペーン |
|---|---|---|
| 特典を渡す相手 | 当選した人 | 紹介した人と紹介された人 |
| 特典が確定する時点 | 抽選の時点 | 紹介された人の購入の後 |
| 費用 | 当選の数で決まる | 紹介の数だけ増える |
特典を渡す相手が2人いるので、特典の欄は2行に分けて書きます。
特典が確定するのは、紹介された人が購入したあとです。購入のあとに返品やキャンセルが起きたときの扱いも、始める前に決めておきます。
費用は、紹介が増えるほど増えます。当選の数のように先に決められないため、期間の総額に上限を置きます。
紹介キャンペーンの企画書のテンプレートと記入例

コーヒー豆をオンラインで販売するブランドを例に、記入例を書いています。
| 項目 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 1. 目的と目標 | 増やしたい数字と目標値 | 紹介経由の初回購入100件 |
| 2. 期間 | 開始と終了の日時 | 11月1日0時〜30日23時59分 |
| 3. 紹介できる人 | 参加できる人・できない人 | 購入したことがある人。従業員は対象外 |
| 4. 特典 | 誰に・何を・いつ渡すか | 紹介した人:上限確認後に記入/紹介された人:初回10%引き |
| 5. 成立と取り消し | 特典が確定する時点と、取り消す場合 | 初回購入の完了で成立。返品で取り消し |
| 6. 費用の上限 | 1件あたりと期間の総額 | 特典の総額20万円まで |
| 7. 告知 | どこで・いつ紹介をお願いするか | 2回目の購入後のメール |
| 8. 受け付けと計測 | 紹介の受け付け方と数え方 | 紹介リンクと紹介コード欄 |
| 9. 規約と確認 | 規約の場所と確認の状態 | 紹介規約:済。景品表示法:未 |
| 10. 振り返り | 見る数字と日付 | 終了の翌週。2回目の購入の割合 |
このうち、4の特典、5の成立と取り消し、6の費用の上限、8の受け付けと計測が、紹介キャンペーンで必要になる欄です。
企画書は上から順に埋めず、1の目的と目標を最初に決めます。特典の額も成立の条件も、目的が決まらないと良し悪しを判断できないからです。
目標は、紹介の数ではなく、紹介された人の購入の数にします。紹介リンクが送られても、購入されなければ売上にならないからです。目標値には根拠を1行添えます。たとえば「前回は紹介経由の購入が60件だった」と書けば、承認する人は100件という目標が妥当かを判断できます。
特典の欄:紹介した人と紹介された人に、何をいつ渡すかを分けて書く
紹介された人への特典は、初めて購入するきっかけになるものにします。記入例の「初回10%引き」のように最初の購入の額から差し引く形にすると、受け取る時点も明確になります。
紹介した人への特典は、紹介が成立したあとに渡します。渡す時期(成立の翌月など)と、渡す方法(次回の購入に使える割引など)も同じ行に書きます。
記入例では、紹介できる人を「購入したことがある人」にしています。これは消費者庁の景品に関するQ&AのQ31でいう、紹介者を「過去に自己の供給する商品又は役務を購入してくれた者に限定する場合」に当たります。Q31 では、この場合の謝礼は景品類に当たり、通常は総付景品の規制の対象になるとしています。そのため、紹介した人の特典の額は、景品表示法の上限を確認してから書きます。確認の仕方は紹介キャンペーンと景表法にまとめています。
成立の条件と取り消し:特典が確定する時点と、取り消す場合を決める

成立の条件は、紹介した人の特典が確定する時点です。この欄が空いていると、紹介された人が購入してすぐに返品したとき、特典を渡すかどうかを決められません。
成立の時点は、次のいずれかに置きます。
- 紹介された人の初回購入が完了した時点
- 商品が届き、返品を受け付ける期間が過ぎた時点
- 定期便なら、2回目のお届けの支払いが完了した時点
時点を遅くするほど、すぐに返品やキャンセルをする人に特典を渡す無駄は減ります。(関連記事:ジムの紹介制度の作り方|特典の決め方と、続く会員につなげる条件)その代わり、紹介した人が特典を受け取るまでの時間は延びます。
取り消しの欄には、成立のあとで特典を取り消す場合を書きます。返品・キャンセルのほか、自分自身を紹介した場合も取り消しの対象にします。既存のお客様が紹介コードを使って購入した場合を対象外にするかどうかも決めておきます。紹介コードを入力し忘れた人があとから申し出たときに認めるか、認めるなら購入から何日以内かも、この欄に書きます。
費用の上限:1件あたりの費用と、期間の総額を分けて書く
1件あたりの費用は、紹介した人の特典と、紹介された人の特典を足した額です。記入例のように両方に特典を渡す場合は、1件の成立で2人分の特典がかかるからです。
期間の総額の上限は、1件あたりの費用に目標の件数を掛けて決めます。紹介が見込みより増えたときに備えて、上限に達したときの扱い(受け付けを締め切る、特典を変えるなど)も書いておきます。決めた扱いは、紹介規約と告知の文にも書きます。
紹介した人1人が受け取れる額にも上限を置くと、一部の人に特典が偏るのを防げます。(関連記事:リファラルマーケティングとは?紹介の5つの型・事例・特典の決め方)
海外の例:英国 Better の紹介規約は、成立・取り消し・上限をそれぞれ明文化している

英国でレジャーセンターを運営する GLL(Greenwich Leisure Limited)は、Better のブランドで、会員の紹介制度の規約を公式サイトで公開しています(2026年7月27日更新)。企画書の成立・取り消し・上限の欄を書くときの見本になります。
- 特典:紹介1件につき、紹介した会員に10ポンドの会員クレジット。紹介された人は最初の支払いから10ポンド引き
- 成立:月額の会員なら口座振替が1回以上引き落とされた時点、年額の会員なら年会費の支払いが完了した時点
- 取り消し:紹介された人が年額の会員を14日間のクーリングオフ期間内に解約したとき、チャージバックを申し立てたとき、自分自身の紹介や重複アカウントなどの不正と判断したとき
- 上限:1人の会員が1暦年に受け取れる紹介特典は1,200ポンドまで
- コード:オンラインの入会手続きの中で入力したものだけが有効で、あとから適用できない。紹介した会員本人は使えない
- 変更:プログラムをいつでも変更・停止・終了できると定めている(原文「amend, suspend or withdraw the programme」)
企画書には、ここまで細かく書く必要はありません。ただ、成立・取り消し・上限・変更の4つを1行ずつ書いておけば、承認する人に「返品されたら」「予算を超えたら」と聞かれても、企画書の中で答えられます。テンプレートの「規約と確認」の欄には、こうした規約の置き場所と、確認した人・日付を書きます。
紹介の受け付けと計測:紹介リンクと紹介コード欄で、誰の紹介かを記録する
紹介の成果は、誰の紹介で購入されたかが記録に残って、初めて数えられます。企画書には、紹介の受け付け方と記録の取り方を書きます。
オンラインで購入を受け付けるなら、入口を2つ用意します。
- 紹介リンク:紹介した人ごとのコード付きのURL。開くと、コードが入力された状態で購入の画面に進む
- 紹介コード欄:購入フォームの中の入力欄。リンクを使わずに購入した人が、自分でコードを入力する
紹介コード欄は、支払い情報の入力より前に置きます。購入を終えてから気づいても、入力する場所がないからです。フォームの作り方は紹介コードとは?にまとめています。
電話やメッセージなど、自社サイトの外で申し込みを受ける場合は、その申し込みを紹介として記録する担当者と手順を企画書に書いておきます。
振り返り:紹介で来たお客様が、2回目も購入したかまで見る

振り返りの欄には、始める前に、見る数字と日付を書いておきます。先に決めておけば、終わったあとに都合のよい数字だけを報告するのを防げます。
見る数字は次の4つです。
- 目標と実績:紹介経由の購入の数が、目標に対してどれだけだったか
- 成立1件あたりの特典の費用:実際にかかった特典の総額を、成立の数で割った額
- 紹介で来たお客様の定着:2回目の購入をした割合を、紹介以外で来たお客様と比べる(関連記事:リピート率の計算方法|リピーター率との違いと、紹介に生かす読み方)
- 次に直す1か所:次のキャンペーンで変える点。一度に変えるのは1か所にする
紹介で来たお客様の2回目の購入の割合が紹介以外より低いなら、特典が目当ての購入が混じっているかもしれません。その場合は、特典の額を下げる前に、成立の時点を遅らせてみます。1人のお客様が何人を連れてくるかは、バイラル係数で読めます。
まずは、テンプレートの1行目の目的と目標を埋めてください。紹介経由の購入を何件増やすかが決まれば、費用の上限も、成立の時点も、その数字を基準に決められます。
Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。
Jolt Me サービス紹介資料
この資料でわかること
- なぜいま「紹介」なのか
- Jolt Me の仕組みと、できること
- 業種別の活用例と、紹介プログラム設計のコツ
- 料金プランと、導入の流れ




