この記事の要点
- 紹介キャンペーンは、今のお客様に知人を紹介してもらい、申し込みがあったときに特典を渡す取り組みです。
- 「目的→特典→付与条件→受け付け→不正対策→告知→計測」の7ステップを、上から順に決めます。
- 不正対策は「自分自身の紹介」「既存のお客様」を対象外にし、1人が紹介できる人数に上限を置くことから始めます。
目次
紹介キャンペーンは、今のお客様に知人を紹介してもらい、その紹介から申し込みがあったときに特典を渡す取り組みです。特典は、紹介した人と紹介された人の両方、またはどちらか一方に渡します。やり方は「目的→特典→付与条件→受け付け→不正対策→告知→計測」の7ステップで、上から順に決めていきます。各ステップで決めることを、海外・国内の実例と設計シートの記入例を添えて紹介します。
紹介の型や特典にかけられる金額の計算式、効果の測り方、法律の詳しい説明はリファラルマーケティングとは?紹介の5つの型・事例・特典の決め方にまとめています。ここでは、キャンペーンを実施する側が何をどの順で決めるかに絞ります。
紹介キャンペーンのやり方は7ステップ

決めることは、次の7つです。
- 目的と追う数字を決める:紹介で何を増やしたいか、最初にどの数字を見るか
- 特典を決める:誰に、何を、いくらまで渡すか
- 付与条件を決める:どこまで進んだら紹介の成立とし、いつ特典を渡すか
- 受け付け方を決める:どの入口で、いつまで紹介を受け付けるか
- 不正対策を決める:特典だけが目当ての申し込みや、自分で自分を紹介することをどう防ぐか
- 告知の場所と時期を決める:今のお客様に、どこで、いつ知らせるか
- 測って直す:数字を見て、1か所ずつ直す
2・3・5は互いに影響し合います。特典を厚くするほど条件を厳しくしたくなり、条件を厳しくするほど紹介のハードルは上がります。先に1の目的を決めておくと、この線引きで迷いにくくなります。
ステップ1:目的と最初に追う数字を決める

最初に、紹介で何を増やしたいかと、最初に見る数字を決めます。新しいお客様の申し込みを増やしたいのか、長く続くお客様を増やしたいのかで、特典の渡し方も付与条件も変わるからです。
紹介の流れは「共有→訪問→申し込み→定着」の4つのフェーズに分けると数えやすくなります。リファラルマーケティングの記事と同じ分け方です。始めたばかりなら、共有と申し込みを見ます。長く続くお客様を増やしたいなら、定着まで見ます。
あわせて、期間を区切るか、いつでも紹介できる常設の仕組みにするかを決めます。期間を区切れば、始める前と終わったあとの数字を比べやすくなります。
ステップ2・3:特典と、特典を渡す条件を決める

特典は「誰に」「何を」「いくらまで」を決め、あわせて「どこまで進んだら渡すか」を決めます。
誰に渡すかは、紹介した人と紹介された人の両方か、片方だけかです。何を渡すかは、自社のポイントや次回の割引、無料期間などから選びます。キャンペーンでは1人あたりの額に加えて、期間中に付与する特典の総額も見込んでおきます。見込みの件数に1件あたりの額を掛ければ、予算の目安になります。
特典の費用が見込みどおりに収まるかは、付与条件で決まります。
- 何をしたら成立とするか:登録、初回の支払い、一定額以上の利用など
- 誰を対象外にするか:既存のお客様、自分自身の紹介など
- いつ渡すか:成立の直後か、しばらく続いたことを確認してからか
海外送金サービスの Wise は、住んでいる地域ごとに別の招待プログラムを割り当てています。そのうちの一つは、成立の条件を「実際に使ったこと」に置いています。公式ヘルプによると、招待リンクから登録した人が200 GBP以上の海外送金をすることが条件です。その時点で、紹介した人の報酬の条件を満たす招待として数えられます。紹介した人の報酬は、登録だけでは付与されません。同じ通貨どうしの送金や通貨の両替、招待ページに表示されている金額より少ない送金は、この条件の取引に数えません。
国内では、メルカリの招待ポイントが、成立を登録に置いています。招待コードを入力して新規会員登録を完了すると、招待した人と招待された人のそれぞれに500円分のポイントが付与されます。付与は登録の完了から14日後までで、その前に本人確認をお願いする場合があると案内しています。
1回の利用額が大きいサービスは、Wise のように一定額以上の利用を条件にしやすくなります。少額で頻繁に使うサービスは、条件を軽くして、人数の上限で抑える方法もあります。
特典の額より先に、紹介できる人を決める
紹介した人への特典の額を決める前に、紹介できる人を誰にするかを決めます。景品表示法での扱いが変わるからです。(関連記事:紹介キャンペーンと景表法|特典の上限を4つの問いで判断する)
根拠は、消費者庁の「景品に関するQ&A」の Q31 です。Q31 は、購入者を紹介してくれた人(紹介者)への謝礼は「景品類には該当しません」としています。そのうえで、紹介者を「購入者に限定する場合」には「景品類に該当し、通常、総付景品の規制の対象となります」と説明しています。紹介の案内を主に購入者(すでに買ったことがある人)に向ける場合も、購入者を主な対象とする提供として、同じく景品類に当たる可能性があります(同Q&AのQ10)。
限度額の計算のしかたと計算例は、リファラルマーケティングの記事の法律の節にまとめています。紹介された人への割引や自社ポイントの扱いも、同じ節にあります。
ステップ4:紹介の受け付け方を決める

受け付けでは、どの入口で紹介を受け付けるかと、いつまで受け付けるかを決めます。入口は、紹介コード・紹介リンク・申し込みフォームのコード欄のどれか、またはその組み合わせです。それぞれの長所と短所、記録のしかたは、リファラルマーケティングの記事の「紹介を記録する方法」にまとめています。
期間を区切るなら、締め切りの扱いを決めておきます。たとえば、期間中に紹介リンクから訪れ、期間が終わってから申し込んだ人を対象にするかどうかです。
コードの入力漏れの扱いも決めます。あとから申し出があったときに認めるか、認めるならいつまでかを、告知のページに書いておきます。申し込みのときにメールアドレスを受け取るなら、紹介の記録と特典を渡すために使うことも、フォームに書いておきます。
ステップ5:不正を防ぐルールを決める

防ぎたいのは、特典だけが目当ての申し込みや、別のアカウントを作って自分で自分を紹介する使い方です。ルールは始める前に決め、告知のページに書いておきます。各社の公式ページには、不正対策にも使える次のような条件があります。
| 対策 | 実例 |
|---|---|
| 一定額以上の利用を条件にする | Wise:200 GBP以上の海外送金 |
| 条件に数えない取引を決める | Wise:同じ通貨どうしの送金、通貨の両替 |
| 1つのコードで使える人数を決める | Oura:10人まで |
| ほかの割引と併用させない | Oura |
| 付与の前に本人確認をする | メルカリ:お願いする場合がある |
| 新しく登録する人だけを対象にする | メルカリ:新規会員登録が条件 |
| コードを入力できる時期を限る | メルカリ:会員登録のときだけ |
※2026年10月時点の公開情報をもとに編集部が整理。各社とは関係ありません。
条件は変わることがあるため、最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。
スマートリングの Oura の公式サポートによると、紹介リンクを使えば最大10人の友人や家族が10%引きで買えます。対象は、Oura の公式オンラインストアで Oura Ring 5 または Oura Ring 4 を購入する場合です。人数の上限をコード1つごとに決めているので、コードが SNS などで広く出回っても使えるのは10人までです。
最初から条件を細かくしすぎると、本当に紹介してくれた人まで対象外になりかねません。まずは「自分自身の紹介は対象外」「既存のお客様は対象外」「1人が紹介できる人数の上限」の3つから始めます。ほかの条件は、数字を見ながら足していきます。
ステップ6:告知の場所と時期を決める

告知は、お客様がサービスの良さを感じたあとに届くようにします。使う前に特典の話をされても、まだ人に勧める理由がないからです。
オンラインで使いやすい告知の場所は、次のとおりです。
- 2回目以降の購入の完了画面
- 初回の利用後や2回目の購入後に送るメール
- LINE 公式アカウントのメッセージ
- アプリの中のお知らせ
告知には、特典の額と並べて、付与条件・特典を渡す時期・対象外になる場合・人数の上限を書きます。条件だけを別のページや小さな文字に回すと、「もらえると思っていた」という問い合わせのもとになります。
紹介した人がそのまま送れる共有の文面も用意しておきます。文面には、紹介すると特典があることを記載しておきます。SNS に投稿してもらう場合の書き方は、リファラルマーケティングの記事のステマ規制の節にまとめています。
ステップ7:測って直す

始めたら、週に1回など決まった間隔で数字を見ます。最低限見るのは、次の3つです。
- 紹介の数:コードやリンクを送った人、紹介で訪れた人
- 申し込みの数:紹介からの申し込みと、そのうち付与条件を満たした数
- 特典の費用:新しいお客様1人あたりにかかった額と、期間中の総額
直すときは、1回に1か所だけ変えます。特典の額と告知の場所を同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなるからです。期間を区切ったキャンペーンなら、終わったあとに4つのフェーズごとの数と、フェーズの間の割合を見ます。次のキャンペーンでは、割合がいちばん低いところから直します。
そのまま使える設計シート

7ステップで決めることを1枚にまとめました。(関連記事:紹介キャンペーンの企画書の書き方|テンプレートと、承認で聞かれる特典と費用)記入例は、オンラインのヨガ教室です。会費は月額6,000円で、(関連記事:ジムの紹介制度の作り方|特典の決め方と、続く会員につなげる条件)体験レッスンなど安いメニューは売っていない前提です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 目的 | 新しい会員の申し込みを増やす |
| 追う数字 | 共有した人の数、紹介からの申し込みの数 |
| 期間 | 3か月の期間限定 |
| 特典(紹介した人) | 次の会費に使える自社ポイント300円分 |
| 特典(紹介された人) | 初月の会費から1,000円引き |
| 付与条件 | 2か月目の会費の支払いを確認した翌月に渡す |
| 対象外 | 既存の会員、自分自身の紹介 |
| 受け付け | 紹介リンク+フォームのコード欄 |
| 不正対策 | 紹介できるのは期間中3人まで |
| 告知 | 3回目のレッスン後のメール |
| 計測 | 毎週月曜に3つの数字を見る |
| 景品表示法 | 購入者に限定する形。限度額を確認する |
この例では、紹介の案内を3回目のレッスン後のメールで送るので、紹介者を購入者に限定する形として扱います。紹介した人の特典の額は、リファラルマーケティングの記事の法律の節の手順で限度額を確認し、その内側で決めます。
まずはシートの「目的」と「付与条件」の2行を埋めてください。この2行が決まれば、特典の額と不正対策の線引きも決めやすくなります。
Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。
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