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SNSキャンペーンと景品表示法|特典の上限がかかる形と、かからない形

SNSキャンペーンの特典に景品表示法の上限がかかるかは、特典を商品やサービスの取引に付随させているかで決まります。フォロー&リポストなど誰でも応募できる形は、原則として上限の外と考えられます。4つの形への当てはめ、3,000円の商品での計算例、公開前の確認項目も示します。

田中 悠 公開

この記事の要点

  • SNSキャンペーンの特典に景品表示法の上限がかかるかは、特典を取引に付随させているかで決まります。
  • 誰でも応募できるフォロー&リポストは、ほかに購入につながる事情が無ければ、原則として景品規制の対象外と考えられます。
  • 購入者に限った抽選は一般懸賞です。購入者全員に渡すなら総付景品で、3,000円の商品なら上限は600円です。
目次
  1. SNSキャンペーンに上限がかかるかは、特典を取引に付随させているかで決まる
  2. 特典の区分:景品類に当たらないもの・一般懸賞・総付景品
  3. よくある4つの形に当てはめる
  4. 上限の計算例:3,000円の商品で考える
  5. 公開前に確認すること

SNSキャンペーンの特典に景品表示法の上限がかかるかは、特典を自社の商品やサービスの取引に付随させているかで決まります。購入を問わず誰でも応募できるフォロー&リポストは、ほかに購入につながる事情が無ければ、原則として景品規制の対象外と考えられます。購入者に限って抽選で渡すなら一般懸賞、購入者全員に渡すなら総付景品の上限がかかります。

以下では、よくある4つの形(フォロー&リポスト、ハッシュタグ投稿、購入者限定の応募、紹介)ごとの区分、上限の計算例、公開前に確認することを示します。企画の進め方はSNSキャンペーンのやり方で扱いました。

SNSキャンペーンに上限がかかるかは、特典を取引に付随させているかで決まる

分かれ目は、景品類の定義にあります。消費者庁の景品に関するQ&Aは、Q30 の回答で景品類を次のように説明しています。

景品類とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益をいいます。

要になるのは「取引に付随して」の部分です。消費者庁 Q&A の Q18 は、SNS のアカウントのフォローや「いいね」を条件にした懸賞を、他に取引につながる蓋然性が高いと認められる事情がない限り、景品規制の対象にならないとしています。リポストを条件にする形も、これに近いと考えられます。反対に、購入を応募の条件にしたり、応募できる人を購入者に限ったりすると、特典は取引に付随する景品類になり、上限がかかります。

特典の区分:景品類に当たらないもの・一般懸賞・総付景品

景品類に当たる特典は、渡し方で区分が変わります。消費者庁の景品規制の概要は、懸賞と総付景品を次のように説明しています。

商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供することを「懸賞」といい、共同懸賞以外のものは、「一般懸賞」と呼ばれています。

一般消費者に対し、「懸賞」によらずに提供される景品類は、一般に「総付景品(そうづけけいひん)」、「ベタ付け景品」等と呼ばれており

区分渡し方上限
景品類に当たらない購入を問わず、誰でも同じ条件で応募できる景品の上限の外
一般懸賞取引に付随して、抽選や優劣で渡す最高額と総額
総付景品取引に付随して、懸賞によらずに渡す200円または取引の価額の10分の2

一般懸賞の上限は、取引の価額が5,000円未満なら、最高額が取引の価額の20倍、総額が懸賞に係る売上予定総額の2%です。取引の価額が5,000円以上なら、最高額は10万円です。総額は、どちらの場合も懸賞に係る売上予定総額の2%までです。

総付景品の上限は、取引の価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引の価額の10分の2です。

よくある4つの形に当てはめる

SNSキャンペーンのよくある形に当てはめると、次のようになります。

形よくある条件区分の目安
フォロー&リポスト誰でも応募できる原則、景品類に当たらない
ハッシュタグ投稿誰でも投稿できる条件しだいで一般懸賞
購入者限定の応募購入した人から抽選一般懸賞
紹介紹介した人に謝礼購入者に限ると総付景品

フォロー&リポスト

購入していない人も応募できるなら、Q18 のとおり、原則として景品規制の対象になりません。ただし、購入しなくても応募できる方法を用意していても、応募要項を商品のパッケージに載せた懸賞は、取引に付随するとされます(Q22)。応募の画面や要項に、購入が必要だと読める言葉を記載しないことも前提です。当選者が賞品を受け取るために店舗に来店しなければならない形は、消費者庁 Q&A の Q20 が取引に付随するとし、総付景品の規制の対象としています。

ハッシュタグ投稿

誰でも投稿できる形なら、フォロー&リポストと同じ考え方です。ただし、消費者庁 Q&A の Q19 は、商品の写真や使った感想を投稿すると当選しやすくなる形を、購入を条件にしていなくても取引に付随するとして、一般懸賞の規制の対象としています。Q19 の内容は、UGCマーケティングとは?で紹介しています。投稿をお願いして特典を渡すなら、ステマ規制の表記も確認します。

購入者限定の応募

「購入した人の中から抽選」は、取引に付随する懸賞なので一般懸賞です。「購入した人全員に」なら、懸賞によらないので総付景品です。

紹介

紹介した人への謝礼は、消費者庁 Q&A の Q31 が扱っています。

自己の供給する商品又は役務の購入者を紹介してくれた人(紹介者)に対する謝礼は、取引に付随する提供に当たらず、景品類には該当しません。

ただし、紹介者を自己の供給する商品又は役務の購入者に限定する場合には、取引に付随する提供となり、景品類に該当し、通常、総付景品の規制の対象となります。

紹介できる人を購入者に限るかどうかで、扱いが変わります。購入者に限る形には、買った上で紹介することを条件にする場合と、過去に買った人に限る場合があります。紹介の仕組みの作り方は、紹介キャンペーンのやり方で扱っています。

上限の計算例:3,000円の商品で考える

オンラインのスキンケアショップを例にします。告知のあとに起こり得る通常の取引のうち最も安いものが、3,000円の商品の場合です。購入を条件にする形では、条件にした商品の価格(ここでは3,000円)を取引の価額とします。取引の価額の決め方は、紹介キャンペーンと景表法で詳しく扱いました。

応募の形区分取引の価額上限
誰でも応募できるフォロー&リポスト原則、当たらない―景品の上限の外
3,000円の商品の購入者から抽選一般懸賞3,000円最高6万円
3,000円の商品の購入者全員総付景品3,000円600円
過去の購入者に限った紹介の謝礼総付景品3,000円600円

2行目は、取引の価額が5,000円未満なので、20倍の6万円が1つあたりの最高額です。総額も、懸賞に係る売上予定総額の2%に収めます。売上予定総額が300万円なら、総額は6万円までです。6万円の賞品を1名に渡すか、3,000円の賞品を20名に渡すかを、この範囲で選びます。

3行目は、取引の価額の10分の2で600円です。

4行目は、紹介できる人を過去の購入者に限る形です。Q31 は、この場合を「今後の取引に付随することになります」としています。取引の価額は、告知のあとに起こり得る通常の取引のうち最も安いものです。1,000円の商品も扱う事業者なら、上限は200円に下がります。

公開前に確認すること

  1. 応募の条件に購入が含まれていないか。応募できる人を購入者に限っていないか。商品のパッケージや販売場所に応募要項を載せていないか
  2. 商品の写真の投稿で当選しやすくするなど、購入につながる条件を設けていないか。賞品の受け取りに事業所への来訪を求めていないか
  3. 景品類に当たるなら、抽選や優劣で決めるか(一般懸賞)、全員に渡すか(総付景品)
  4. 取引の価額を書き出し、上限を計算したか。一般懸賞なら最高額と総額の両方
  5. 応募要項に、購入の要否、応募の条件、賞品の数と内容、締め切り、当選の連絡方法、集める個人情報とその利用目的を書いたか
  6. 応募の条件にする行動が各SNSの規約で認められているかを、告知の直前に公式のヘルプで確認したか
  7. 投稿をお願いするなら、「PR」などの表記を記載してもらうか

まずは1の「購入が条件に含まれていないか」を、応募の画面と要項で確認してください。含まれていれば、4の計算に進みます。

Jolt Me について Jolt Me は、友だち紹介プログラムの立ち上げから特典のお届けまでを自動化する、リファラルマーケティングプラットフォームです。紹介コードの発行、成果の計測、特典の配布、不正の検知までを管理画面ひとつで運用でき、EC・D2C、アプリ・SaaS、スクール、フィットネス・サロンなど幅広い業種で導入いただけます。

監修者

田中 悠

田中 悠

株式会社AREYO 代表取締役CEO

BtoC 向けのリファラルマーケティングプラットフォーム「Jolt Me」を通じて、紹介プログラムの戦略策定から導入までを多方面から支援。

紹介が属人化・形骸化しやすい構造に向き合い、お客様から自然と紹介が生まれる仕組みづくりに尽力。

<<主な略歴>>

キヤノン株式会社に新卒入社後、一眼レフカメラのグローバルマーケティングを担当。その後、株式会社プレイドに参画し、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトマネジメントを横断し、主にアパレル企業のCX向上を支援。2020年6月より株式会社バニッシュ・スタンダードに参画し、執行役員としてビジネス全体を統括。2025年4月株式会社AREYO創業。

愛媛県松山市出身。みかん好き。

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